政府が5月下旬にロシアに経済訪問団を派遣する方針を固めたことが、複数の関係者の話で8日明らかになった。参加企業には三井物産や商船三井などが含まれ、26~27日の日程が打診されている。この動きは、ロシアによるウクライナ侵攻の終息を見据えた経済課題の協議を目的としている。
訪問団の背景と目的
訪問団派遣は経済産業省が主導する。ロシア側は、製造業育成や商業活動の規制などを管轄する産業貿易省の高官らが対応する見通しだ。大手商社では、三菱商事なども参加するとみられる。5月上旬には、エネルギー輸送の要衝ホルムズ海峡が封鎖されてから初めてロシア産原油を輸入するなど、両国間の接触は続いている。
政府の否定と水面下の調整
派遣計画を巡っては、木原稔官房長官や茂木敏充外相が4月3日の記者会見で「事実ではない」とそろって否定したが、水面下ではロシア側と調整が進められていた。2022年2月のウクライナ侵攻後、日本は米国や欧州連合(EU)と歩調を合わせて対露制裁に加わった経緯がある。
企業の慎重な姿勢
現在も戦時下であることから、同行要請を受けた企業の中には政府が条件とした「役員以上」の派遣に慎重な声もある。訪問団の派遣は、ウクライナ侵攻の終息後を見据えた経済関係の再構築を目指すものとみられる。



