自民党、参院選公約に「子育て支援」重点 財源確保は明示せず
自民党、参院選公約に子育て支援重点 財源確保は明示せず

自民党は25日、夏の参院選に向けた政権公約(マニフェスト)の原案をまとめた。子育て支援の拡充を重点政策として掲げ、給付型奨学金の対象拡大や児童手当の所得制限撤廃などを盛り込む一方、これらの財源をどう確保するかについては明示しなかった。党内からは「財源の裏付けがないままでは、有権者に不信感を与えかねない」と懸念の声が上がっている。

給付型奨学金拡充、児童手当所得制限撤廃

公約原案では、「次元の異なる少子化対策」を掲げ、子育て世帯への支援を強化する方針を明確化。具体的には、大学など高等教育機関向けの給付型奨学金について、現行の住民税非課税世帯から、年収380万円未満の世帯へ対象を拡大する方針を打ち出した。また、児童手当について、現行の所得制限(年収960万円程度)を撤廃し、すべての子育て世帯に支給する案が盛り込まれた。

さらに、保育料の無償化対象を0~2歳児に拡大することや、産後ケアの充実、男性の育児休業取得促進策なども盛り込まれ、子育てに関する幅広い支援策を提示している。

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財源論議は先送り、与党内でも異論

しかし、これらの施策の実現に必要な財源については、公約原案では「安定財源の確保を図る」との抽象的な表現にとどまり、具体的な税制改正や社会保険料の引き上げなどには触れていない。これに対し、党内の財政規律派からは「歳出拡大だけでは財政悪化を招く。消費税率引き上げや社会保障改革を含めた議論が必要だ」との指摘が出ている。一方、選挙対策を重視する若手議員からは「財源論に踏み込めば、有権者の反発を招く。選挙後で十分だ」との声も聞かれる。

公約原案は、27日の自民党総務会で了承される見通し。その後、正式な公約として決定されるが、財源問題を棚上げしたままの公約内容に、野党側は「具体性を欠く絵空事だ」と批判を強めている。

防衛費増額も明記、財源は不透明

公約原案では、安全保障関連でも、政府が決定した防衛費の増額方針を「着実に実施する」と明記。2027年度までに防衛費をGDP比2%に引き上げる目標を堅持する姿勢を示した。しかし、こちらも増額分の財源について、法人税やたばこ税などの増税で賄う方針は示されたものの、具体策は盛り込まれず、今後の国会審議で議論される見通しだ。

自民党は、今回の公約を「安心と成長の実現」と銘打ち、経済政策では賃上げの定着や半導体産業の国内回帰促進なども掲げている。ただ、社会保障・子育て関連の歳出増と防衛費増額を同時に進めるための財源論議は避けて通れず、選挙後の政局の焦点となる可能性が高い。

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