朝日新聞社と東京大学・谷口将紀研究室が実施した有権者向け共同調査で、高市早苗首相(自民党総裁)が連立相手の日本維新の会と足並みをそろえる三つの政治課題について、世論の支持が低調であることが明らかになった。大阪の「副首都構想」を支持するのは2割、衆院議員の定数削減は5割に届かず、憲法改正を最優先に考えるのはわずか1%だった。
高市首相と維新の協力関係
高市首相は2月の衆院選後、維新の吉村洋文代表(大阪府知事)と会談し、維新が掲げる副首都構想と定数削減の実現を確認した。4月の自民党大会では「日本人の手による自主的な憲法改正は党是だ。時は来た」と改憲を打ち出し、来賓の吉村氏も「定数削減、副首都そして憲法改正。今まさに進める時ではないでしょうか」と応じ、互いに後押しする関係にある。
調査結果の詳細
3~4月に実施された有権者向け共同調査では、「もっとも優先的に取り組んでほしい政治課題」を12の選択肢から一つ選んでもらったところ、「憲法(改憲・護憲)」を挙げたのは1%にとどまった。最多は「年金・医療・介護」で、その他の課題に比べても改憲への関心の低さが浮き彫りとなった。
また、副首都構想については賛成が約2割、定数削減は賛成が5割未満であり、いずれも高市首相と維新の期待するほどの支持を得られていない。自民党と維新の間でも考え方の差が見られ、定数削減については自民党支持層の賛成が54%であるのに対し、維新支持層ではより高い支持を示すなど、党によって温度差がある。
高市政権の課題
高市首相は「黄金の2年間」と称される安定した政権運営を目指しているが、これらの調査結果は、イデオロギー色の強い政策が必ずしも国民の支持を得ていないことを示している。谷口東大教授は、高市首相の人気と政策への支持には乖離があると指摘する。
本調査は、朝日新聞社と東京大学・谷口将紀研究室が共同で実施したもので、全国の有権者を対象に郵送法で行われた。詳細な分析は今後の連載で報告される予定だ。



