郡山市立美術館で開催中の展覧会「北斎・広重 大浮世絵展~二大巨匠!夢の競演」の記念講演会が23日、同市で開かれた。同展の監修に携わった川崎浮世絵ギャラリー(川崎市)の山本野理子学芸員が、葛飾北斎と歌川広重という二人の巨匠の技法の違いや作品制作の背景について詳しく解説した。
講演会の概要
「北斎と広重 二大巨匠競演の魅力~風景表現を中心に~」と題して開催されたこの講演会には、約120人が参加。山本学芸員は北斎と広重の風景画を中心に紹介し、両者の表現手法の違いを浮き彫りにした。
北斎の技法
山本氏によると、北斎は西洋の透視図法を積極的に取り入れ、大胆な構図を多用した。例えば、遠近感を強調した構図や、対象を大きく切り取る構図など、従来の浮世絵にはない斬新な表現を追求したという。
広重の技法
一方、広重は風景の中に人と自然の調和を描くことを重視した。人物を小さく配することで自然の雄大さを表現し、また季節や時間による変化を繊細に描き分けることで、見る者に臨場感を与えた。
制作のテーマ
山本氏は、画集の序文に書かれた言葉を読み解きながら、二人の制作テーマについて考察。「北斎は形そのものを写すのではなく、そこに秘められた本質を描こうとし、広重はありのままの姿を描くことで臨場感ある表現を追求したのではないか」と語った。
展覧会情報
「北斎・広重 大浮世絵展」は6月21日まで開催中。開館時間は午前9時半から午後5時(入館は午後4時半まで)。料金は一般1500円、高校・大学・専門学校生1000円。中学生以下および障害者手帳を持っている人は無料。



